「多様な木々が一つの山をつくっている。」かつてノルウェーのアーティストが日本の山を見て言った。雑多な木々の生える山を雪の「白さ」という単一性が覆うことによって、木々のパッチワーク状で様々な「白」の濃度が立ち上がってくる。「白」という色はあらゆるものを支える下地であり、スクリーンであり、膜である。あらゆる視覚的「出来事」は無限の光の震えを縮約する<白の切断面>に投影された明滅する結像の力学によって生み出され、それは無数の微小な雪片(白の微粒子)によってひとつの平面が生み出されることによって可能となる。「アラベスク」とは生成の力学のダイアグラムであり、植物のリズムであり、その見えない気息の痕跡である。重要なのは植物の力能を白の静謐な「弱さ」を後背に知覚することであり、幽微な「白」のゆらぎをその多と一のはざまにおいて眼差すことである。
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